各キャラ雑感
勇者(DQ1)
姫を抱き上げっぱなしで上腕の筋肉がとてつもない男。
原作では「あなた」であり、エンディングのセリフ以外は基本的にしゃべらないドラクエ主人公とは何者かを印象付けたキャラクターです。HD-2Dリメイクでもそれは踏襲されており感情表現は極力抑えられているので自己投影のしやすさは変わらず。
ただしストーリー展開として「勇者であることを証明し、後世に名を遺す」ための要素が追加されており、原作で(真にロトの末裔であると認めているかはともかく)旅立ちの時点でつわものであって必須イベントもほぼ存在しないゲームだったところ、HD-2Dリメイクでは勇者であることを証明する地道な活動から始まり、DQ2に繋ぐための交流や秘宝の作成をこなしていく内容が追加されました。
なかでも繰り返し強調される「ロトの勇者の血と意思」については、血だけでなく意思を必ずつけているところにHD-2D3部作の要点があるように思います。血については3,1,2で明言されていますが、要するに……ロトゼタシアの彼とまでは血は難しいでしょうからね。プレイヤーの意思と言ってしまえばそれまでなんですけど……
戦闘面についてはDQ3(物理攻撃の通りがよいことからバージョンアップ後版?)の「リソース管理ゲームからの脱却」のあおりを最も強く受けているようで、3部作のなかでも一番賛否がはっきり分かれそうだなと感じました。
単独で戦うので戦力バランスが想定しやすいこともあってか、稼ぎを行わない・敵回避も行わないくらいのプレイスタイルだとかなりシビアな先読みコマンド選択を求められる局面が用意されています。負けても大人しくオートセーブから再開してねというスタンスはDQ3と一緒ですが、単独なので有事の際の復元力も低く行き当たりやすいわけですね。
また痛恨や状態異常などの運の悪かった展開を除いても「耐えていられるターン数・ダメージ量の想定設定」が低めに敷かれており、ドラゴン戦に間に合ってくれるベホイミ(Lv17)はまだしも、習得するころにはHPの半分も回復できなかったりするベホイム・習得すらしないベホマ側に難易度の問題があるような気はします。山彦ベホイムだけで途端に楽になるし…
想定レベルと装備充実度がもっと高いつもりだったと言われればそれまでですが、ドラゴンゾンビは速攻運勝負になってしまいますし、エイリアンフライは行動パターン読み(これ、RPG慣れてるから感付けるだけですからね!)必須みたいなところあるのでここ2戦はどうかなって思います。
とはいえ単体用武器とムチorブーメランを装備欄で切り替えて進むのはちょっと面白かったです。こうなってくると装備欄2つあってワンタッチで切り替えて攻撃するような仕組みだったら嬉しいなあみたいなところはありますが……ドラクエっぽくなくなっちゃうかな(DQ10は2つ武器セットできたりしますけど)。
終盤は山彦ギガデインですべてのカタが付くのでコメントなし。
ローレシアの王子
破壊神を破壊したなんちゃら。ドラクエの主人公としてセリフなし・感情表現も抑えめになっているため、マイペースプリンスどころか無感動みたいになってるのは良いのか悪いのか……ただ今回他3名がかなり精神的に不安定な解釈をされているため彼が引っ張ってくれているのが重要と言えばそうかもしれない。そういう意味で王の器ではある。
呪文が使えない王子であることについて後年何かといわれ続けた結果、本編にも弱み(引け目)として編入されたのはちょっと微笑ましい。ただあまりにも圧倒的なHPとちからの持ち主なのでそれそのものが異能ではという感はある。
戦闘面は有り余るちからをフルに活用するため、序盤~中盤まではすばやさアクセサリを装備して先行させたうえでムチ装備・ブーメラン装備で削り役を務めました。クッキーがギガデインを覚えて以降はちからアクセサリ装備の単体担当に切り替えてひたすらばくれつけん、はやぶさの剣を入手以降ははやぶさ渾身ですべてを破壊し尽くす流れになりました。肉体だけでやたら高い攻撃力が出てるためはやぶさの剣の低攻撃力というデメリットが薄いうえ、渾身斬りが武器能力可の特技なので……倍々ゲームはあかんよ。
クッキー(サマルトリアの王子)
真・主人公。ローレシアの王子が無口なのと、他2名が何かと問題行動があるので一番素直に状況に対してコメントしてくれる役回りに。空気を読めないで発言してしまう弱点がそこそこな場面で発動していましたが、根が善人なので「あーまあ言っちゃったけど悪いことは何もないねしょうがない次気張ってこ」みたいな落としどころになるのは非常に人間力が高い。マカロンには蹴られておこう。彼とベラヌールの神父様のイベント一環がこのDQ2のHD-2Dの中で一番お気に入りです。というか神父様が良すぎる。
戦闘面は中盤まではデインでむやみにMP切らしてるなーくらいですが、ギガデイン習得以降は勇者の名に恥じない働きをしてくれます。うっかり福引でふしぎなボレロを手にしてしまったので、以後はすばやさアクセサリを付けて先行ギガデイン砲台として職務を全うしてくれました。とはいえ終盤のボス戦ではプリン・マカロンの回復が追い付かないのでときどき「いのちだいじに」でベホマズンを使ってもらう局面が発生していました。なんでもできてなんでも高性能なので3勇者・1勇者の後継者という感じですが、倍々ゲームに向いた高倍率通常攻撃特技が微妙というその一点でローレシアの王子にまくられていくのは皮肉というかなんというか。
プリン(ムーンブルクの王女)
闇落ち犬姫。今作ではムーンブルク落城の知らせが確証をもって伝えられなかったため、彼女の行方を捜索するところから始まることになりました。ハーゴン討伐は彼女を救出してからはじめて議題にあがるようになったため、復讐という名分をもっている彼女が当面は一行の旅を牽引していくようになります……ただ今回それぞれの年齢が若く想定されているのか、復讐の気持ちに偽りはないものの旅そのものがだんだん楽しくなっていってしまうことが描写されており、可愛らしさが倍増しに感じる仕上がりになっています。こうなってくるとマカロンがいる必要があったなという感じ。
戦闘面では他のメンバーの下支えをずっと続けて……意外と役に立ってないような印象はありました。ヒャダルコ・イオラあたりの中盤での火力が頼りになりましたが、回復呪文はベホイミ・ベホマラー止まりで終盤のボスラッシュでは力不足なので補助呪文を唱えてあとは暇ならイオナズン……くらいの感じになっていたことが多いです。ただしいぬのはなは一番使いました。あと地味に無属性物理の固定ダメージなので、めいれいさせろを使わないでプレイしているととおぼえを見る機会はかなり多い。犬姫ネタは本家に逆輸入されたやつですが、どうなんだろうな……
断空なぎはらいが倍々ゲーム的にヤバ特技だった(全身全霊斬りを上回る4.1倍で2回、しかも起点がビーストモード?)みたいですが、そういえばプレイ条件もあって超絶技をろくに使用しなかったな…
マカロン(サマルトリアの王女)
新しい勇者の末裔。後年ときどき「彼女も勇者の末裔だったのでは?」と言われてはいましたがついに投入され、令和ナイズされて一行を牽引する立場として活躍してくれました。序盤のローレシアの王子一人の時点でのNPC枠参入は(特に1勇者が攻撃集中で厳しかったこともあって)NPCゆえの無限HPで非常に助かる動きをしてくれました。本加入のベラヌールイベントも、以降の各イベントも積極的にコメントを投げてくれるのでだんだん「マカロンが状況に反応する→クッキーが正直なコメントを戻す→プリンが対応方針を提案する→ローレシアの王子が承認する」みたいな流れが多々見受けられるようになっていきました。だいたい船入手以降のプレイヤーの心情誘導は彼女がしてくれたと言えよう。
戦闘面では……盗賊&遊び人といった組み立てですが呪文も扱えるサマルトリア風の遊撃といったところ。一応遊び人のようなランダム行動があるんですが、終盤ほとんど見なくなったのでレベルで減らされている? のかな? すばやさが高いことからめいれいせずにほっておくとMPが切れるので、彼女もふしぎなボレロを着せて節約しながら進むことになりました。プリンがマジックバリアを先に張ろうとするので、マカロンはフバーハを張ってくれることが多かったですね。
雷竜打ちが倍々ゲーム的にヤバ特技以下略。